《MUMEI》
doctor
掃除機をかけた後、床をふきながら俺は時計を見た。


「あ、そろそろいかなあかんな。」


今日は何やら珍しく、阿騎にランチを一緒にと誘われている。

雑巾を洗い、テラスに干して、軽くシャワーを浴びる。

着替えを済ませて、俺は阿騎の病院に向かった。
今日がどんな日か、何故阿騎が俺を呼んだのか、その理由も知らずに。




「相変わらずでかいなぁ〜。」


到着した俺は、二度目に訪れた病院を見上げた。

「さて、中入ってエエもんか、外で待つべきか…。」


しばらく思案して、ふと以前の阿騎兄の来襲を思い出した。


「なんもないとは思うけど…。」


―メールも返って来んことやし、予定聞きに入るくらいかまんかな?


そう思って俺は病院に足を踏み入れたのだった。

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