《MUMEI》
交流会・サプライズ6
「…踊ろ、誠」


薫はすぐに離れて、俺に手を差し出した


意外と、似合うな


「だから、踊れねーし」

「リード、する」

「リードって…」


俺が女役、確定かよ


「誠は、こっちの方が似合うから」

「は!?」


グイッ


「ちょっ!」


片手、腰に来てるんだけど!


「セクハラじゃないよ。俺、バ会長じゃないし」

「…その割に、嬉しそうだな」

「それは、誠が好きだから」

「っ!?」


サラッとそういう事言うな!


「お、俺は男だぞ!」


今だけだけどな!


「はい、ここで、ターン」

「え!?」


クルッ


「そうそう、上手」

「そ、そっか?」


じゃなくて!


何かいいように踊らされてるけど!


「誠は、そっちが似合うよ」

「え?」


そっちって…


「今度は、ドレス着てほしいな」

「か、…薫?」


もしかして、お前


「お前…」


俺が女だって


「大丈夫。言わないから」


…気付いて、るんだな


『何でわかったんだ』


俺の質問は、薫には届かなかった

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