《MUMEI》
終結・・
「教えて・・」
自分の寝言で目が覚めた。
「ここは・・・」
病院だろう。自身の傷は丁寧に手当され、血も止まっているようだった。
記憶が曖昧。リザードマンに対して、突撃したことは覚えている。そこから先、思い出せない・・
上半身を起こす。傷が痛んだが、そんなことはどうでもいい。槍・・姉さんの槍。
ベットの周囲には無い。運ばれる時に置き去りにされたのだろうか・・
ズキズキと体を動かすたびに痛みが走る。
「探さないと・・」
ベットから立ち上がり、病室を出ようとする。
フラフラと、歩いて、足がうまく動かない。
ガチャ・・
ドアを開けて・・
意識が途切れた。
「リース!」
幻聴・・だろうか。彩ねぇの声が・・聞こえた。
それだけで、安心できた。

「・・・・・ロナイさんって事は、守護騎士の詰め所?」
狩月は、目を覚まし、上半身を起こしてみると、ロナイが椅子に座って寝ている。
「え〜っと・・彩詩さん達に会って・・・気を失ったのかな?」
体を動かしながら、傷の具合を確かめる。左腕はガチガチに固定されているが、動かさなければ痛みは無い。
「とりあえず、助かったのかな。・・・そうだ!ボンカーは・・」
立ち上がって、探そうとして、思わず左腕に力を入れた。
「うが・・・」
痛みに声が漏れた。
「ん・・お、起きたのか。」
声に気が付き、ロナイが目を覚ます。
「ロナイさん。ボンカーとか、他の人は!?」
「あ〜・・ちょっと待て。調べてやるよ、ボンカーってのと、後、誰を調べてほしい?」
パラパラと診断書を眼を通す。
「えっと・・ボンカーと・・リース。それから・・」
記憶を探りながら、名前を挙げていく。
「リース?リース・アーキルスか?蒼い長髪の・・」
「あ、はい。で、大丈夫なんですか!?」
ロナイが診断書から眼を離し、狩月の方を向く。
「あぁ。一時、危なかったけどな。今は安定してるし、団長が付いてるから安心しろ。そう言えば、お前みたいな部外者がなんで守護騎士団の医務室に居るかって言うとな、」
「無事なんですね!よかった・・後、ボンカーは?」
ロナイの言葉を遮り、狩月は聞く。
「ヒトの話は最後まで・・って言ってる場合じゃないな。ボンカー、ボンカー・・」
診断書を次々と捲りながら調べる。
「あった。ボンカー・ロシュレート、市立の病院に搬送されてるトコ見ると・・まず問題ないな。」
「え?」
ロナイはパタンと診断書の束を閉じると、いつもの締りのない笑顔を浮かべた。
「要するにだ、洞窟での一件で出た怪我人は、重傷の奴はこっち、つまり守護騎士団の医療機関に運ばれて、治療されてる。で、大して酷くない傷の奴ら・・まぁ、少し放置しても死なない連中だけ通常の医療機関に運ばれたんだよ。お前は通常の医療機関じゃ手遅れになる可能性があった。その点、ボンカーって奴はそこまで危険な怪我はしてなかったって訳だ。他に聞きたいことあるか?無いなら・・寝たいんだけどな・・」
ふぁあ〜・・と大きく欠伸をするロナイ。
「よかった・・あいつも無事か。ロナイさん、ありがとう。」
無事だという言葉で落ち着いた。ロナイに礼を言う。
「無理しない程度になら歩き回って構わないぞ。暇だろうしな。んじゃ、俺は寝るからな。」
そう言うと、机に突っ伏し寝始めるロナイ。
(二人共無事だったんだ・・よかった。)
大きく息を吐き、目を閉じた。

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