《MUMEI》 「あら、だって、こうすれば、あなた達とずっと一緒にいられるじゃない?」 「りん!? 何を言い出す…」 「決めてたのよ、コムラ。わたしはずっとあなた達と一緒にいたいって。―その為に、食われると言う形になってもね」 まっすぐに主を見つめたまま、言った。 「りんっ…!」 「その為に、自分の命も体も、今までの人生、これからの人生も捨てようって。わたしに関わった人達のことも捨てるって決めたのよ」 「そんな勝手に…! …バカだよ、りん」 「ええ、バカなのは承知よ。でも良いの。わたしは決めてしまったから」 たかが十七年しか生きていないのに、人生の終わりを決めるなんて大バカだ。 でも…離れたくは無い。 コムラ達と。 その強い気持ちは、揺るがない。 「りん…!」 コムラがぎゅっとわたしの手を握る。 緊迫した空気が流れる中、ふと主が口を開いた。 「―お主、似ているな」 「…はい?」 「我に似ておる」 ………。 「えっ?」 わたしは思わず表情を崩した。 「―ああ、やっぱり。主もそう思われますか?」 キムロがおもしろそうに、わたしと主の顔を見比べた。 周りにいた神々、コムラとミトリも見比べる。 前へ |次へ |
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