《MUMEI》 コムラは青い顔で起き上がった。 「お供えを増やす為よ。いくら私でも、この山にある神様全員に渡すワケにもいかないから」 大きいのだ、この山は。 「そして神社も建て直してもらいましょう!」 「うえええっ!」 「コレはお祖父ちゃん側に言った方が良いわね。お供えや管理はお祖母ちゃんの実家ね」 「そっそんなことしたら、主が…」 「あら、自分の血筋の者まで食らうの?」 「うっ…。そっそれは…」 「時間はかかるだろうけど、やってかなきゃ。…この神社、いつ潰れるか分からないしね」 わたしは天井を見上げた。 コムラの神力で持っているような神社の建物。 …秋や冬に入ったら、手遅れだな。 「でっでも、りん。キミ、もうすぐ帰るんだろう?」 「あら、言ってなかった? わたし、ここに残ることにしたのよ」 「はいぃ?」 「言ったじゃない。あなた達と…コムラと一緒にいたいって」 わたしはコムラにニッコリ微笑みかける。 「今朝方、電話で両親にも話したの。夏休み明けたら地元の高校に通うわ」 「…りん。キミって人は…」 「積極的でしょ? …恋をすると、人って強くなるのよ」 「りん…」 前へ |次へ |
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