《MUMEI》

海南ベンチ。



「ま…ずまずだな…」



ため息混じりに話す海南監督。



「…」



ポリポリ…



「問題が山積みだな…」



頭をかきながらそう呟く。



「極地じゃねえ…


極地じゃねえ…


が、


あんま悠長なこと言ってる場合でもねえな。」



「…」



「とりあえず今はミスしないことが優先だな。」



「…うす。」



「お前らが乗り切れてない反面、
まだ向こうも乗り切れてないと見える。」



ボソッ…



(あれで?)



「難癖を付ければな。


高校生であれだけやれりゃ十分すぎる。


向こうが完全に乗り切る前に少しでも差を縮めんぞ。」



「はいッ!!!!!!!」



「久志と未來が作った波に乗れ。


時間があるなんて考えんな。


逆転のチャンスは何度も来ねえぞ。」



「はいッ!!!!!!!」

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