《MUMEI》 tomodachi栢。 それは、この世で初めて出会った人間にもらった名だ。 ある日、 サーカス団という連中が森にやってきた。 栢は、初めて人間に触れたのだ。 最初は警戒してたけど、どうしてもその人間といるのが楽しくて親に秘密で会っていた。 言葉や、遊びをたくさん教えてもらった。 妖狼の父は、気がついていたかもしれないけど何も言わなかった。 そのうち、生まれたばかりの妹も加わった。 「栢と」 「紀羅」 よく笑う人だった。 いい人だった。 楽しい人だった。 なのに なのに あの悲劇は ある夜の 星空のきれいな日だった。 父さんが、人を殺した。 前へ |次へ |
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