《MUMEI》
才能人の世界
ゾクッ…



恭介が覚えた感情に似た感覚を、


一部の選手たちは感じていた。


観客席には数名。


コートには、



(ようやく本気か…)



1人。



「許せ古賀。」



「え?」



「前半…残り時間は俺が貰う。」



「は?」



「ピッ!!」



審判の笛が鳴る。


ボールは海南。



「俺にはもう今年しかね〜んだ。」














……………













最初の固さは、


もうあとかたもなく姿を消していた。


千葉雅也。


上に立つ同格の存在を、


意識せずにはいられなかった。














……………













キュッ…!!



「くっ…!!」



バスッ!!



「ナイッシューッ!!!!!」



9対6。



千葉のクイックモーションについていくことのできない鈴木。



(こいつ…)



同様に、


シュートを防ぐことのできなかった奥本。



(…やるじゃね〜か。)



そのプレーに更に火のつく二ノ宮。

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