《MUMEI》 桜井と阿久津。 9メートルラインに2人が並ぶも、 実際ボールを持つのは桜井1人。 桜井と阿久津という2人の壁役が存在する今、 海南が二ノ宮のロングシュートを警戒するのは必然であった。 「ピッ!!」 審判の笛が鳴る。 と、 同時に走り出す海南両サイド。 ヒュッ…!! 瞬間、 前に出るディフェンスだが、 キュッ!! すぐに足を戻す。 (やられた…!!) 桜井はパスを出さない。 最初の『それ』はフェイク。 ボールは、 「ポスト潰せッ!!!!!」 すぐ隣の阿久津へ。 一瞬の遅れは致命的。 このチャンスを阿久津は、 バスッ!! 逃さない。 「ナイッシューッ!!!!!」 パチンッ!! ハイタッチを交わす桜井と阿久津。 前半18分32秒。 10対6。 「ピッ!!」 「リスたぁとぉッ!!!!!」 ラインを跨ぐ海南。 …………… 観客席。 ワーワーッ!! 「あんな王道なフェイクに引っ掛かんなよな…」 ワーワーッ!! 「あのプレーの後じゃね。」 ワーワーッ!! 「二ノ宮はさっきの1点で2点分の仕事してたってことか…」 ワーワーッ!! 「いーや。」 ワーワーッ!! 「ん?」 ワーワーッ!! 「試合終了まで警戒が解けないだろ?」 ワーワーッ!! 「あ…」 ワーワーッ!! 「そして… 桜井はそれをわかって付け込んでる。」 ワーワーッ!! 「止めろ千葉ぁ…」 ワーワーッ!! (つっても完璧何てあり得ない… 付け入る隙は絶対どっかに… どっかに…) 前へ |次へ |
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