《MUMEI》

7メートルライン立つ二ノ宮。


リスタートに備える海南の上3人とポスト。


聖龍は両サイドを残しディフェンスの体勢を整える。


両チームの両サイドはルーズボールに備えコート側面でボールを待っていた。



(俺が止めなきゃ…
いつまでも追い付けね〜ぞ…)



ドクンッ!!



会場は嫌な静寂に包まれていた。



「ピッ!!」



審判の笛が鳴る。


シューターとキーパーとの駆け引きが強く問われる7メートルでは、


細かいフェイク等を入れるのがセオリーだが、



ビシュッ!!



二ノ宮に『それ』はなかった。



(読み通り!!)



反応するキーパー。


シュートは誘ったコースドンピシャであった。



しかし、



「っ…!?」



バスッ…!!



ボールはキーパーの手に触れることなく、


右下のコースへと決まった。



「ナイッシューッ!!!!!!」



12対8。



聖龍の勢いは全く衰えない。

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