《MUMEI》

「おぉぉぉぉッ!!!!!」



バスッ!!!!!



「ナイッシューッ!!!!!」



千葉のシュートが決まる。



12対9。



前半、残り時間は10分を切っていた。



「何してんだモジャッ!!!!」



「くっ…!!」



(わかってんだよッ!!)



ヒュッ!!



桜井の言葉に何も言い返せず、


奥本はボールを投げ返す。



「返すぞッ!!」



「ピッ!!」



ボールは聖龍。



「健也!!」



桜井から鈴木にボールが渡る。



キュキュッ!!



1対1を仕掛ける鈴木。



「うっ…」



しかし、


前線で強く当たる千葉に、


上手く攻めきることができない。



ヒュッ!!



鈴木はボールを広瀬に。



(抜かせね〜ッ!!)



ディフェンスの未來。


決してディフェンスは得意ではない彼も、


広瀬の動きに食らい付く。



(いいディフェンスだ。
…春会った時とは別人だな。)



市民体で対戦していた広瀬も、


未來の成長速度をその肌で感じていた。



ヒュッ!!



ボールを投げ返す広瀬。



「広瀬ぇッ!!!!」



「えっ…」



桜井の叫び声に驚く広瀬。


そして気付く。



(やっ…)



バシッ!!



「バカやろぉッ!!!!!」



「ナイスカットぉッ!!!!!」



カットに走る千葉を。



ダッ!!



「千葉さんッ!!」



走り出す古賀。



ヒュッ!!



ボールは千葉から古賀へ。



(調子乗んなよ…)



カウンターを狙う海南。


しかし、



(はぇぇ…)



高校最速ともいわれる桜井のスピードを前に、


フリーという状況は容易く許されはしない。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫