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《MUMEI》 ｢古賀ｯ!!｣ ランパスでコートを走る古賀と千葉。 ｢後ろ来てるｯ!!｣ 大歓声の中かすかに聞こえるベンチからの声。 ｢！｣ 後ろからは二ノ宮が迫る。 キュｯ… ｢ちっ…｣ 千葉は一瞬足を止め、 二ノ宮が狙っていたカットを交わす。 ヒュｯ!! 体勢を崩した二ノ宮を待つことなく、 すぐに古賀にボールを回す。 (あめ〜んだよ!!) その前には桜井が立ちはだかる。 (こんだけスペースがあれば…) キュｯ!! 仕掛ける古賀。 体勢は完璧とは言えないが、 体半分のスペースができた。 ｢ぬりゃｯ!!!!｣ シュートを打つ古賀。 バシｯ!! ｢なっ…｣ しかし、 ボールはキーパー奥本の伸ばした右足に当たり、 ゴールには入らない。 ｢でかしたモジャｯ!!｣ ボールはコート外へ… (全く…) ｢まだだ!!｣ ｢だからおめ〜は控えなんだよｯ!!｣ 出ない。 必死に走っていた未來が、 ラインすれすれでボールを拾う。 が、 (そこまでにしとけ!!) すぐ後ろには右サイドの広瀬が。 コート隅に追い詰められた未來。 シュートを打つスペースはおろか、 パスでさえ難しい状況。 ｢未來ぃぃｯ!!!!｣ キュｯ!! (千葉…) ギリギリパスを狙える位置。 千葉はそこに走っていた。 ｢目立ちすぎだｯ!!｣ ダムｯ!! 未來からバウンドパスが出る。 (決める…!!) (させねぇ!!) シュートモーションの千葉。 ｢モジャぁｯ!!!!!｣ バスｯ…!! …………… ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾜｰﾜｰｯ!!!!!!!!! ｢｢ナイッシューｯ!!!!!!!｣｣ ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾜｰﾜｰｯ!!!!!!!!! …………… 海南。 意地を見せた得点。 12対10。 ここに来て点差を縮める。 前へ |次へ |
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