《MUMEI》
遊園地ーお化け屋敷ー
「え〜!?オレ今宵ちゃんとが良かった〜!!」
「こっちこそ!!あたしだってあんたじゃなくて歩雪くんと組みたかったわよ!!」
あーだこーだと言い合いをしているのは、パーチームだった紘と秋葉。
「どこまで一緒なんだろ。オレら」
「ホントだね」
しみじみと繋がりの深さを実感しているのは、グーチームの歩雪と今宵。
たは〜。
ここまで歩雪くんと一緒になると、距離をおこうにも置けないし・・・・・・。
1人沈んでいる今宵の雰囲気を打ち破るように、紘が意気込んだ。
「まぁ、なっちゃったのはしょうがないし、いざ出陣!!!」
この掛け声と共に4人はホラーな館に近づいて行くのだった。
「4名様ですね!?お2人お2人に分かれてお進み下さい!!」
ホラーな館をバックに、係員独特の明るさで今宵達に声をかける。
このお姉さん、何でこんなに明るいの〜!?
今宵の顔がヒクヒクと引きつると、紘が係員に負けないくらい明るく答えた。
「は〜い!!じゃあお前ら先な!!」
「頑張りなさいよ〜雪村!!」
「うわぁん!!!」
早くも半泣きの状態の今宵に、紘と秋葉がニヤリと笑う。
酷いよ〜琴吹くん達!!
お化けが夢に出てきたら琴吹くん達のせいだからね!!
「それでは行ってらっしゃ〜い♪」
今宵達は係員の明るい声に見送られて、真っ暗な館に足を踏み入れた。
「こー。行くよ」
「う〜〜!!」
なかなか足が先に進まない今宵の背中を、歩雪が押し出した。
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