《MUMEI》

そこでふと思いつく。

「ねっねえ、そのイカサマっていつからしてたの?」

「言っただろ? 三度って」

「最初っから!? じっじゃあ男女混合の席順になったのも!」

「うん、オレの入れ知恵。でも男女の仲が悪いことに、担任が頭を痛めていたのは事実だよ?」

「それって利用したって、言わない?」

「否定はしない」

こっコイツ…! 腹黒い!

今までのコイツは演じていただけ!?

「あっ、でも言っとくけど、今までのオレが全部演じていたってワケじゃないから」

…心読めるのか、コイツ。

「適度に抜けるんだよね、オレ。だからキミみたいにしっかりした人が必要なんだ」

そう言って、にっこり笑う。

「…それって、この学校にいる間だけ?」

「まさか」

立ち上がり、アタシの頬を大事そうに両手で包んだ。

「もちろん、ずっと、だよ?」

甘い笑顔とセリフの次には、顔中にキスの雨。

そして、唇に深くキスされる。

「ずっとオレの隣にいてくれなきゃ、イヤだよ?」

「…どういう告白よ? それ」

「まあプロポーズってとこかな?」

「軽いわね」

「オレらしくていいだろう? それとも、オレ達らしくて、かな?」

「まあ…それもアリよね」

アタシはアイツの胸に抱きついた。

強制的だけど…これも一つの縁よね?

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