《MUMEI》
GW初日2
「ありがとうございます、直人さん」

「本当に助かりました」

「いえ。それより、今日はよろしくお願いします」

「「はい」」


俺と虎之介先輩は、大きく頷いた


「…少々、予定と違いますので」

「「?」」


珍しい


直人さんが、困ってる


「何か、あったんですか?」


そういえば、俺達と同じように一階に集合している用務員や、清掃会社の人達も、何処か、緊張してるように見える


その時


聴き覚えがある、独特のエンジン音がした


…まさか、な


「何で」


虎之介先輩が、驚いているのが見えたけど


それでも、まさか、と思った


視界にうつる赤が見えても、あの連中が、寮の害虫駆除を手伝うとは、思えなかったし


けど


「来てやったぞ」

「皆、揃ってるね」

「「お疲れー」」

「…」


ヤツ等は、回転ドアをくぐり、中に入り


皆に向かって、笑顔で声をかけた


あ、約一名は


ものすごく、不機嫌だったけど


俺と、目が合うと


笑った

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