《MUMEI》

ザワザワ…


「千葉先輩マジ凄いッ!!」


ザワザワ…


「ねッ!!マジカッコいんだけど!!」


ザワザワ…


「あの感じなら絶対逆転できるよね!!」


ザワザワ…


「え!?そしたら決勝じゃん!!」


ザワザワ…


「うそぉ!?このまま優勝しちゃうんじゃない!?」


ザワザワ…


「すごぉいッ!!」


ザワザワ…













……………













冷めやらぬ興奮。


それは試合を観戦する全ての者が同じだった。


ハンドボールというスポーツのルールを知らない者でさえ、


その内容に、


そのプレーに、


そのスポーツに、


感動を覚えていた。















……………













ザワザワ…


「聖龍が負けたら大判狂わせだな。」


ザワザワ…


「そうなると相手は海南ってことか。」


ザワザワ…


「この展開だとその可能性も否定できなくなってきましたね。」


ザワザワ…


「お前らわかってね〜な…」


ザワザワ…


「え?」


ザワザワ…


「聖龍は負けない。
1人の選手にやられるようなチームなら全国制覇なんてできないんだよ。」


ザワザワ…


「…正論だな。」


ザワザワ…


「さすがキャプテンすね。」


ザワザワ…


「…っせ。」


ザワザワ…


「ま、聖龍を倒せんのは俺たちだけっしょ。」


ザワザワ…


(だから榊さん控えじゃ…)


ザワザワ…


「市原、お前マジムカつくな。」


ザワザワ…


「えぇッ!?」


ザワザワ…


「やっぱお前後で顔貸せ。」


ザワザワ…


「何ですか!?」


ザワザワ…


「榊さんはベンチの癖にうぜぇとか言ってっからだろ。」


ザワザワ…


「ちょ…!!大地さん!!
んなこと言ってないでしょ〜よ!!」


ザワザワ…

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