《MUMEI》

県営武道館。


ロビー。



「はぁ…はぁ…」



「千葉さん、ドリンクです。」



「はぁ…はぁ…」



ゴクッ!!



「…おぅ。」



ゴク…ゴク…ゴク…



「はぁッ!!はぁ…はぁ…」



ボソッ…



(だ…大丈夫か千葉さん…?)



ボソッ…



(わかんね〜よ…


平気そうに見えたけどさっきの試合から運動量が多いのも事実だからな…


むしろこうならない方がおかしいだろ…)



「はぁ…はぁ…監督…作戦…」



(強がりやがって…)



ポリポリ…



海南高校、


ハーフタイムのミーティング。


ロビーには、


コート上の姿とは裏腹に、


息切れの治まらない千葉がいた。


体力が限界に近いのは誰の目からも明らか。


この10分の間に、


どこまで体力を戻せるかが千葉の課題であった。



「いいか?」



海南監督はあえてそこには触れず、


冷静に話始めた。


何を言っても無駄だということを、


経験上悟っていた。

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