《MUMEI》

「2点差まで詰めたのは上出来だ。


この勢いなら必ず後半チャンスは来る。


後半、


まず間違いなく向こう(聖龍)は千葉を抑えに来る。


市民体ん時みたいにセンター(桜井)がマンツーで付くことも考えられるだろ。」



「はい。」



「そうなるといかに他で攻めるかって話になってくるけど、


残念ながら個人個人の実力は向こうが上だ。


1対1を仕掛けたところで突破は難しいだろうな。」



「…」



「凹んでんじゃね〜よ。


相手の実力を認めろ。


変なプライドはいらね〜から。」



「…はい!!」



「よし。


個人技がダメってんならフォーメーション使いながら裏かいてくのがベストだろ。


古賀。」



「はい!!」



「センターとしてのお前の力量が問われる場面だ。


もちろん行ける時は自分で行って構わね〜けど、


普段みたいなプレーだけで乗り切れる相手じゃないことくらいわかってんだろ?」



「…はい。」



「未來。」



「はい?」



「千葉が抑えられたら何もできね〜なんてのは無しだぞ。」



「っ…!!」



「上に上がるなり隙見つけてポスト入るなりやりようはいくらでもあんだからな。」



「わかってますよッ!!」



「ほんで…千葉。」



「はい?」



「何か意見あるか?」



「ないすよ。だって…」



「?」



「俺が打っちゃダメってことはないんでしょ?」



「…たりめ〜だ。」



「おけ。じゃあ問題ないす。」



(生意気な…)

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