《MUMEI》 県営武道館。 通路。 「たった2点差かい…」 想像以上の苦戦を強いられる試合展開に、 聖龍高校の選手たちは心中穏やかではなかった。 「まぁ… 俺もこんな試合展開になるとは思ってなかったけどよ。 認めよ〜ぜ。 千葉雅也。 あいつは今大会最大の壁だ。」 他の選手とは対照的に、 二ノ宮は着いた様子であった。 「まぁお前らにとってはいい経験なんじゃね〜の?」 桜井も同様である。 「全国行きゃああいうプレイヤーとぶつかることあるし。 千葉とは何回か試合したことあるけど俺は未だにあいつのプレーは興奮する。 お前らもそろそろ壁の越え時なんじゃね? ここで満足してたら上はね〜よ。」 「…」 返す言葉がなかった。 スタメンの選手たちだけでなく、 ベンチも含めてだ。 言葉遣いは普段の桜井だが、 その言葉からはいつもとは違う真剣な様子が伝わっていた。 (さすが…) そしてそれを黙って聞く二ノ宮。 同等の相手が現れた。 その中で改めて確認するチームメイトの強さ。 二ノ宮・桜井の2人は今それを再認識していた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |