《MUMEI》

「後半…
どうやって千葉を抑えますか?」



口を開いたのは阿久津。


それまでのやりとりに口を挟まず聞き入る監督に指示を求めた。



「…攻めて来る相手が1人ってわかってんなら止めようはある。」



「…マンツーすか?」



「単純なマンツーじゃ抑え切れないだろ。」



「?」



「…仮に千葉にマンツーを付けるとした場合、マークマンは誰になる?」



「そりゃ健也っしょ。」



「だな。2枚目だし。」



「じゃあ健也。
お前千葉と10回1対1やって何回抑える自信がある?」



「…7、いや8!!」



「てめ〜はいつからそんなディフェンス上手くなったんだ?」



「…3、4回です。」



「また偉い下がったな…」



「て、ことはだ。


10回の内6、7回は抜かれることを覚悟しなきゃならん。


その後の対策は?」



「ノンちゃんが止める。」
※広瀬。



「それは大きな賭けだな…」



「ちょっと監督ッ!!」
※奥本。



「モジャじゃ確かに不安だな…
そん時は俺がカバーに入ればいんじゃないすか?」
※桜井。



「さく」
※『桜井てめぇ』と言いたかった奥本。



「…それしかないだろうな。」



「何か問題でも?」



「『その後』の展開だ。」



「…なるほど。」

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