《MUMEI》

「カバーが入れば当然穴もあく。」



「ポストか…センターか…」



「セオリーならな。


裏をかいて突破を狙いにくるか、


あるいは左サイドって可能性も十分あり得る。」



「その場合はポストは和也。


センターは栄二が抑えればいい。


左サイドはもちろん広瀬。」



「ま…シンプルだが桜井の言う通りが1番無難だろうな。」



「じゃ、後半はそれで行こうよ。」



「ん…うん。」



「…まだ何か?」



「いや…


向こうとしてはエースしか決定打がない以上十中八九予想通りの攻撃を仕掛けて来るとは思うが…


相手の出方を決め付けてるのはどうもリスキーな気がしてな。


まぁエースが攻めて来ないならその時はその時だ。


お前らに任せる。」



「余裕っしょ!!」



ギィッ!!



通路と体育館を繋ぐ扉が開く。



「時間あと3分切りました!!」



「…っし。行くか。」



「おっす!!!!!!!」















……………













この時、


聖龍監督には選手たちに言った物とはまた異なるある不安があった。


が、


あえて口にはせず、


後半の流れを見ることを決めていた。


監督という立場の者があまり不安を口に出すのは選手たちにとって好ましくないということを知っていたからだ。


だが確かに、


大丈夫だろうと思われた作戦も、


所詮は机上の空論。


実戦の中では試さなくてはわからないことが山ほどあるのだ。


聖龍監督はそれをわかっていたからこそあえて口にはせず、


選手たちのポテンシャルを信じた。


実際にコートに立つ、


選手たちを。

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