《MUMEI》
覚醒
突然左手にやってきた非日常の証。

質量も感じず、触感もない。

でも、確かにそこにある存在感。

未だ、山男やジェイオルの力は見えたり感じたりと言う事は出来ない。

しかし、己の力を教えてくれるこのプレートからは、未知でありながらどこかで己が知っていたような力がぞくぞくと伝わってくる。

はっきり言って、スレシルがなんだとか、フェルがなんだとか、さっぱり意味が分からない。

そうだろう。だって非現実的で非日常的。すべてを一気に理解しろと言われてもそうは行かない。


この上なく退屈だった日々に、間違いなく何かがもたらされる。

山男は、嫌な思い出でもあるのか、スレシルになり、力を得たことを快くは思っていないようだけど。

でも、俺は楽しんでやる。こんな事、どんなに頑張ったって普通じゃ誰も経験できない。

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