《MUMEI》
学校! 〈私〉
大きく深呼吸をして、教室のドアを開いた。



「…おはよう!!」



「あ、かなめおはよー」

「おっはよー!」



祥ちゃんとリッコが気づいて、あいさつを返してくれた。



…『かなめ』、だって!!!



「おはよう…!!!」



ちゃんと『私』の名前を呼んでくれたことがうれしくて
もう一度挨拶をすると、



「…かなめ、どしたの?
涙目だよ…??」



と、二人に心配されてしまった。



「な、なんでもない!!」



こっそりと椎名くんのほうを盗み見ると、
椎名くんは机に突っ伏していた。



…眠いのかな??




「…かなめ??」



祥ちゃんの声にはっとすると、
祥ちゃんは少し怖い顔で、私を見ていた。




「…あ…」




祥ちゃんに、私の気持ち、伝えなきゃ。








―…椎名くんのこと、




私も『好きだ』って。

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