《MUMEI》

「....やべ。」


由里香の言葉に将貴は勢いよく跳ね起きた。


そして盛大にあくびをして、
再びベッドに突っ伏す。


「サボりてぇ..!」


「駄目に決まってるでしょ。」


「わかってるよ。」


将貴は由里香に反抗的な視線を送ったが、
ふと優しい目付きになった。


「昨日のお前の頑張りを無駄にできねぇしな。」


「!」


手を伸ばし、
由里香の頬に触れる。


ドキリと胸を高鳴らせた一瞬、
将貴は触れるだけのキスをすると今度こそベッドから起き上がった。


不意打ち。


仕切りに動揺を隠そうとする由里香と裏腹に、
将貴は悠々たる態度で制服に着替えている。

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