《MUMEI》
インプット魔法
「相手の力が読めない。。だから、目の前にいる2人からは特別な何かを感じないのか。でも、なんとなくジェイオルが強そうってのは感じるんだけど…?」

雅俊がさっきから感じていた事を聞いてジェイオルは片眉を動かしただけだったが、変わりに山男が答える。

「ジェイオルは、元から他人の魔力としての気配をずっと感じて生きてきたから分からないだろうよ。動物的、本能的に気配や相手の強さを読むことは何ら不思議は無いだろう?」

「探(サーチ)無いヤツは大変だな。」

相変わらず得意顔のジェイオルを見ていた雅俊はふと気付く。

「探(サーチ)?っての使えるのが珍しい事は分かったけど、それって、気配を読んだりするだけだろ?俺たちを吹っ飛ばしたりしたのは別の能力何じゃないのか?」

「それは俺が優秀だから…」

「インプット魔法だな。」

ジェイオルが気配を読むだけと言われたのにも関わらず自慢気な態度を変えることなく更に踏ん反り返ろうとしたところで山男が口を挟む。

「…インプット。名前から察するには、能力を取り込むって所ですか?この腕に勝手に出てきたこれみたいに。」

「そう。そのパワーゲージは、探(サーチ)型魔法の中では一番メジャーなインプット魔法だ。自分の能力値を簡単に目で確認できる。フェルでも持ってないヤツの方が珍しいらしい。」

「本当は対価交換するのに、俺ってばタダであげちゃうんだもんな。優しー。」

まぁ、後で相応以上の物をもらうつもりだけど。小さく呟く言葉にまだ雅俊も山男も気付かない。

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