《MUMEI》

「自分が本来なら使えないはずの能力を使った魔法を、使える相手からもらう事が出来るんだ。もちろん、インプット魔法としてもらえる魔法にも条件や制限はあるけど。」

「対価交換って事は、お金?とか、それに当たる物がフェル界の方にもあるんですね?」

「自分の出来る事で払う事も出来るらしいけど、大体は自分の欲しい魔法を使える知り合いなんてなかなか現れないから、インプット魔法取引の仲介屋にフェル界での通貨を使ってのやりとりになる。俺も当時は何回か世話になったし。」

雅俊の腕についているパワーゲージを見ながら、自分の持っているパワーゲージと大分違うデザインだと思った山男は、ひとまず自分のパワーゲージがジェイオル作のインプット魔法でないことを確信する。

「へぇ。じゃぁ、先生もインプット魔法っての持ってるんですね。」

「まぁ、当時、自分の能力にどうしてもプラスしたい力があったからな。さっきサプリにいくつか勝手に入れられてたのが発覚したが…」

「…だったら、みんな探(サーチ)系のインプット魔法入れまくったら、ほとんどいない探(サーチ)も希少価値無くなったりするんじゃないのか?」

ずっと、探(サーチ)であることを自慢気に離してくるジェイオルに対して少しだけ牽制の意を込めてチラリとジェイオルを見てみる。

「そんな都合良く行くか。インプット魔法に適した魔法と、適さない魔法があるし、本人との相性もある。
ついでに言うなら、インプット魔法は、入れれば入れるだけ、維持するのにも使うのにも魔力が必要だから、むやみやたらに入れたらそれだけでパワー切れしてしまうよ。」

「やっぱりリスクはあるのか。」

「まぁ、自分の能力を見極めて、それを強化したい、ってなってから本格的に考えて良いんじゃないか。少なくとも、俺はパワーゲージ入れた後、拒絶反応が出て3時間くらいひっくり返ってたからな。雅俊は平気そうだけど。」

山男の言葉にジェイオルが笑う。

「ふはっ…お前探(サーチ)と相性悪いのか。いや、ホーカスみたいな低級フェルのパワーゲージ入れたせいかもな。」

「インプット魔法の提供したフェルの事まで分かるのかお前。。」

「俺は探(サーチ)型の能力は網羅してるんだよ。探(サーチ)型で俺に出来ないことは一つも無い。」

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