《MUMEI》

「そんな話はともかく、俺達と一緒に来てもらうぞ。あ〜、飛行機で。未来はもう無理そうだし…。」
ダリルは床に座りこんでいる未来を見て言った。


「は〜い、ごめんよ。うちの連れを連れて帰りたい。」
いまだに感謝の言葉を言い続けている人々を押し分け未来を引っ張っりだした。

「あ、ダリルありがとう。
あんなにたくさんの人に感謝されたの初めてだから、どうしたらいいか分かんなくて。」
「感謝させとけばいいのさ。」
疲れて歩けない未来を肩に背負って行った。

「さて、次の花田空港行きはいつかな??」

「はぁ!?花田にまた戻るのかょ??
なんで!?」

「俺達の家が首都圏にあるからだ。」

「首都圏に行ったら死ぬぞ。
感染者掃討計画は
首都に近付くほどひどくなるじゃないか。」
「安心しろ。俺達の家は平気だ。」

「安心できないね。
誰がいつ密告するかわからないじゃないか。密告されたら特殊装備隊が来て、収容所行きだょ。」

「平気だ。密告されないような能力を持ってる奴がいる。」

「どうだか…。」

「どっちにしても、約束は守った。何がなんでも一緒に来てもらうぞ。」

「…わかったょ。」
リクは仕方なさそうにして、言った。

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