《MUMEI》
ギミギミック
只今10:12





智春たちとわかれてから、あたしは急いである場所に向かった。

丸稚夷杜【マルチーズ】デパート3階メルヘン雑貨屋



ちよこの行き付けの場所謙オアシス






「やっだー可愛いいわぁ―ww!お前の名前は今日からわさおだぞ☆」

「お客様、そのテディベアは『ショワン』です。そんなオッサンみたいな名を勝手につけないで下さい」

「あぁ―こっちのウサ公も可愛いなぁぁぁ」





あちらこちらにメルヘンなぬいぐるみが飾られてテンションMAXなちよこの頭はお花畑一色。



こんなとこを学校の奴等や知り合いなんかに目撃でもされたらその日から笑いの的。


崖っぷちな状況でここに通いつめている








「もうほんっっと可愛いなオイ!あたしここに住めるなら何もいらねーよ!」

「お客様、あまり叫ばないで下さい。お子様が恐怖で絶句しております」






しょうがねーじゃん、テンション上がってんだからさ。いちいち文句つけん……………

「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!」







その奇声にビクつく子供。半泣き状態






「いい加減にしろよお客様」


「コレ!コレ、コレコレコレ!」





興奮のあまりコレしか発せれない馬鹿は顔を蒸気させながら指差す。






「あぁ、このぬいぐるみですか?」




ため息を吐きながら棚から店員が取り出す。




「真っ白のテディベア……!」

「可愛いでしょ、首輪にはハートのシルバーアクセに名前が彫られています」





店員にそう言われたのでチャリッと音をさせながらハートに彫られた文字を見る。



「かなえ…?」


「これを作ったのが日本の人だったらしく、かなえは自分の孫からとったものらしいですよ」





一瞬で欲しいと思ったちよこは


「この子いくら!?」と、身を乗り出しながら聞いた。






「3万8千円です」

「………もう少し安k…」
「3万8千円です」



店員の表情は一切変わらない。ちよこは小さく舌打ちをし、






「んじゃあ、何がなんでもまた買いにくるんでそれまで置いといて!」

「…………はぁ、わかりました。お早めにお願いしますね」

「了解!もう少しの辛抱だよ〜三朗〜」

「お客様、かなえです」

「チッ、んじゃバイバーイかなe………………」











言葉が詰まったのは自分の目の前に学校の…クラスの…神山美咲がいたから………………








神様、あたしアンタに何かしましたか!?

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