《MUMEI》

「………………………」
「………………………」




固まる2人、ざわめくデパート、頭に『?』を浮かべる店員………





「……お客様?」




そんな言葉などちよこの耳に入ってなどこない。




ヤバイ………………
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ


ヤブワァイ。




その瞬間、神山はダッとその場から逃げ出した。

即座にちよこも後を追いかける


後ろのほうで店員が叫んでいるが知ったこっちゃない…………追いかけて捕まえないとッ!!



じゃないと……………







一瞬にして最悪な学校生活を想像する。





笑わいの的!!!!!!!!





「まとぅえぇぇコノヤロゥゥゥゥゥ!!」


「!!」






必死に神山を追いかけるちよこの形相ははんぱじゃない恐ろしさで、それをみた神山の足も今さっきよりも速くなる。






気付けばデパートを飛び出し裏路地





そして3メートルの距離となったとこでちよこが必殺技の飛び蹴りをした。


見事命中






「あっはははははは!このちよこさんから逃れられるわけがなかろう童め!!」






馬鹿みたいに笑ってると神山は頭を擦りながらムクリと起き上がり一言、


「鬼神の好物はぬいぐるみ………」






その一言にピタリととまり冷や汗が流れ出してくる。





「ビックリしたなぁ、あの状況。とんでもないの見た気がして咄嗟に逃げ出したけど…………ねぇ?鬼塚ちよこさん?」






顔も背中も冷や汗ダラダラ、脱水症状おきそうです。






「…………だっ…」

「?…何?」



「(どうせ殴って口止めしようとすんだろ。只の暴力女か…)」





「黙ってて!お願い!マジで!!」

「!!」





半泣き状態のちよこをみて表紙抜くする神山は目を丸くしたまま見つめる。






「お願いお願いお願いお願い!何でもするからぁ〜」

「……………何でも…?」




噂とイメージが違うな……。懇願するちよこを見ながら思った美咲







「はい!何でも!!」

「ふーん………だったら」


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