《MUMEI》 学校から寺戸屋までの距離約1.5q弱。なかなか歩かされた……帰るとちょうど昼休みで…………………… 「ん………」 「………なんだその手は」 「団子だよ団子。右手に持ってるソレ、早く食べてーの」 当たりまえのような態度で図々しく差し出すその手、 コンパスでブッ刺したい気持ちが込み上げてくる。 「お前いい感じにムカツクなぁッッ!!ありがとうございますぐらい言えね―の!?」 ガサッと乱暴に袋ごと美咲に手渡す。それを受け取り一言 「………一箱だけ?」 団子の袋をもったまま何処かに行ってしまった。ちよこはプルプルと震える 見かねた千鶴と麻衣子がちよこの両肩にそっと手を置き、 「何があったかしらないけど、ジュースおごってあげるから」 「ドゥオンマイ(笑)」 面白そうに口元に手をあて笑いを堪える千鶴。 「………………ろす……」 「えっ?」 ちよこの聞き取りずらいぐらいの小さな声に麻衣子は耳を傾ける ――――そして 「殺す―――ッ!!ぜってー殺す!!!団子の串で串刺しににしてやる――ッ!!」 一気に暴れ出すちよこ。顔面凶器に皆、青ざめながら必死に止めにかかる 「お、落ち着きなさいちよこ!!アンタの殺す発言は本気で危ないのよ!」 「団子の串よりこっちのほうが簡単にささるよぉ、コンパス」 「変なアドバイスしなくていいから止めなさい千鶴ッ!」 ぎゃあぎゃあ わぁわぁ いちにもまして騒がしいクラス 「アイツなんか…アイツなんか…………大ッッッきらいだぁぁぁぁぁぁ」 契約じみた関係からはじまった2人のぶっきらぼうな物語… 行きつく先に何があるのかはまだまだわからない。 + 前へ |次へ |
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