《MUMEI》

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「手ぇ放せ」

「離したら逃げる」

「逃げないから離せ」

「全体逃げる」

「逃げねーって」

「逃げる」

「逃げない」

「逃げる」

「しつけぇんだよ放せハゲ」

「うっせぇ黙れ、馬鹿アホカスクソ馬鹿黒髪」

「言い過ぎだろ!つか黒髪ってなんだよ!なんでけなされなきゃなんないのさ!!」









急に捕まえられて何処にいくのかも教えてくれず、グイグイ腕をもぎ取られそうなほどの勢いで引っ張られていく………





つか、イタいんだよ。めっさイタいんだよ………






女子の視線が………







もうアレだよ?アイツら目からレーザービーム出せるよ??凄いもん、どんくらい凄いってお前………………………凄いもん。








しかしこんだけ見られていても全然気付く気配のないこの男…






「いいですね〜色男はモッテモテで、あたしなんてモテた試しがないですよコンチクショウ」

「………は?」

「学校でも女をまとわりつけて歩いてるとこよく見るけど、男は顔じゃねーぞ!大事なのは中身じゃあ!!」






そう叫ぶあたしにいかにも何言ってんだ?コイツみたいな表情であたしを見てくる。







「何がいいてーの?まとわりつけて歩いてないよ、なんか食いもんや変な紙とかばっか渡されて正直鬱陶しいんだよ。通行の邪魔されるばっかでモテてないよ逆に嫌われてるんじゃね?どうでもいいけど」






変な紙…………?






「あの神山さん?変な紙とはあなたそれ、ラブレターとちゃいます??それにどう考えてもモテててるんとちゃいます?」

「……?そうなの?知らない女子ばっかりに手紙渡されてたからてっきり果たし状とか呪いの手紙とかかとばっか思ってた」






………………こいつ………














馬鹿だッッッ!!!!!








なんなの?馬鹿っつーか…馬鹿なの!?動く天然記念物だよ!!こんなに鈍い人初めてだよ!!






ビックリしすぎて唖然とする。まるで宇宙人でも見るかのような目で美咲を見た。



そして気付く








「あれ、ここどこ?つかこのでっかい屋敷何?千と千尋?」






ちよこの前に現れたのは高くそびえる高貴な屋敷。美咲はその門前の前でピタッと止まる


簡単にたとえるなら千と千尋の世界観。周りの家やマンションがやけに小さく見える……







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