《MUMEI》

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「千と千尋ね…………ククッ…まぁ、そんなようなもんか」

「…………??」





笑った意味がわからなかった。こんなでっかい屋敷に何のようがあるのか…








「んじゃ入ろっか」
「いやいやいや!!どうしてッ!?」




引っ張る美咲を拒むちよこ、どんな場所なのかが把握出来てないので少しの恐怖がある。








「あぁ、ここ………………俺ん家」





時が止まる





「…………………………はぁぁぁぁぁあ!?」

「うるっさい」







鬱陶しそうに目を瞑り片耳をふさぐ美咲





「ふざっけんなテメッ……坊っちゃんか?坊っちゃんってか!?」

「はいはい鬱陶しぃ、入るよ―」






ちよこは小さく「うぉッ」と叫びながら乱暴に引っ張られていった。







門をくぐれば石庭が広がりポツリポツリと松が植えてあった。


外観だけじゃなく内観も予想通り綺麗であちこちピカピカ。使用人も忙しそうに働いている







「す、すすすす凄いな………なんか遊郭みたいな色合い」

「千と千尋の次は遊郭か」





ほこりひとつない綺麗な廊下をズカズカ歩いていく美咲に連れられ、転けそうになりながらも後ろからついていく。




歩くたんびに使用人の人たちから「お帰りなさいませ美咲様」と声をかけられている








「アンタの実家なにを営んでんの!?やっぱ風呂屋??」

「おしい、風呂屋じゃなくて旅館」

「へ、へ〜………凄いな」





ちょっと褒めてみた




「別に」




しかし返ってきた言葉は素っ気ないもので少しムカッとした。


そうこうしてるうちにやっと目的地にたどり着いたのか足を急に止め、襖を勢いよく開けた。



「どこでもいいから適当に座って」

「広ッ!暴れ放題じゃん!もしかして、ここ……自分の部屋…?」

「うん」

「広ッッ!!」






畳何畳かなんてわかんないけれど本当に一人部屋!?って言いたいほどの広さ。テレビもでかいし家具も高そうなものばかり



隅っこに寺戸屋の団子の箱が大量に積み重なってたけど………………うん、触れないようにしとこう。






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