《MUMEI》 「何よ! 人がせっかく親切心で提案したのに! 即答って酷いでしょ!」 「わ、わりぃ。 けど・・・。」 「けど?」 お前の運転意識とぶから。 将貴は般若のような顔をした由里香を前に、 その言葉を寸前で飲み込む。 「あ、いや・・・。 そのお前には迷惑かけらんねぇから、 やっぱ自分で行くわ。」 ごまかしの笑い声を混ぜながら、 じりじりと由里香から後退して玄関へ向かう。 「でも大丈夫なの? 普通のバイクだったら間に合わないでしょ?」 確かに。 悟城さんからもらったあのバイクなら、 完全に遅刻だ。 でも・・・。 「大丈夫。 取っておきのがあるから。」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |