《MUMEI》
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「取っておき?」


「そう、まあ着いてくりゃわかるって。」


そうこうしている内に既に数分が経過している。


将貴は急いで玄関を飛び出し、
裏の車庫に回った。


そして暗証番号を押して、
車庫の扉を開かせる。


目の前には3台の車と、
5台の単車が現れた。


将貴はその内単車の方へ進み、
1つのバイクの傍らに寄る。


鍵をかけ、
エンジンをふかし、
車庫からバイクと一緒に出てきた。


「すごーい!

それかっこいい!」


「だろ?」


将貴が胸を張り得意げに頷くそのバイクは、
将貴が今2番目に気に入っているものだ。


本当は1番気に入っているバイクが良かったが、
何しろそのバイクは特注もので、
黒メインの塗装でばっちり金色で『黒龍』と描かれている。

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