《MUMEI》 登校「まいったな・・・。」 将貴はお気に入りのバイクと共に、 校門の目の前で立ち尽くしていた。 別に遅刻したのではない。 着席完了時間まで5分余り前に学校に到着していた。 そこまでは良かった。 「見ろよあのバイク。」 「やば、かっこいいじゃん。」 「持ち主誰?」 注がれる多数の好奇な視線。 まだなんとか大丈夫だ。 全面のヘルメットを被っているため、 まだ顔は割れていない。 だがヘルメットをとった時。 ひやりと頬を冷や汗が伝う。 黒龍の頭だとばれるかも知れない。 ヘルメットの中では髪は勿論セットせず、 眼鏡も掛けていない。 それに極めつけは額の傷だろう。 奇抜な形をしているため、 勘の良い奴ならすぐに自分の正体がばれてしまうかも知れない。 前へ |次へ |
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