《MUMEI》 + 「……………和服かぁ………」 あんま着付けが上手くないあたし、神山美咲の隣の空き部屋で一人ため息をはく……。 「まぁでも、タダとゆうわけじゃないんだし……金儲けだと思って頑張るか」 数分後。なんとか着付けが出来た。全身鏡で自分を見てみるがさほど気になる点はない しいて言うならこの仕事用の和服が落ち着いた桃色だったため、自分に不釣り合いに思えて仕方ない。 「………よし、戻るか」 そう言って振り返った瞬間、襖が遠慮なしにガラッと開く 「やっと着替えたか」 平然とした態度で立っている美咲、目を見開くちよこ。 「お、おおおお前!何突拍子もなく入って来てんのぉ!?まだ着替え中だったらどうしてくれんだ!!」 「いや…………どうもしないよね―」 馬鹿にしたような表情を見せながらそう言ってきて、ちよこは苛立ちで口元がひきつる。 すると美咲は何かに気付いたような反応を見せ、スタスタとちよこの目の前に立つ。 ちよこはガンを飛ばしながら「なんだよ」と一言 「…髪」 「は?」 美咲はゆっくり手を伸ばしちよこの黒髪に指を絡める。 「結ったほうが仕事しやすいんじゃない?」 凄く至近距離で恥ずかしい。段々と顔が赤く染まっていく… 「ゴ、ゴム………ない」 「あぁ、俺持ってるから後ろ向け結ってやる」 グリンッと強引に体を回転させられ「ぅおッ!」と小さく叫んでしまった。 「……………………」 「……………………」 ゆっくりゆっくり 髪をまとめていく…… 「今クシないから手だけでまとめていいよな…?」 「………………おぅ」 そして綺麗なポニーテールが完成 「はい出来た出来た―」 またもグリンッと方向転換させられ今度は向き合うかたちとなった そして気付く 「顔………赤くない?気のせい??」 + 前へ |次へ |
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