《MUMEI》

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「しッッッッッ……………ぬ――――――――!!!」




ズダダダダダダダと、憂鬱になるほど長い廊下を一気に走りながら雑巾で廊下を拭く。


額には汗、前髪はボサボサ、息切れが半端ない






「ハァッ、これ、ハァハァ、痩せるわハァッ」





何度目かの水返に給湯室に向かう。


勢いよく水道の取っ手を回し、ジャ――――ッという音が室内に響く





「やっと東側廊下出来たから、今度は北側廊下…………先はまだまだ長ぇな」




今日何度目かのため息を溢す。







……………つか今日厄日じゃね?


パシられるし、罵声浴びせられるし、女子に敵対視されるし、雑用されてるし……………




渡る世間は鬼ばっか……いや、鬼はあの男だけか。






「あたし神様のかんにさわるようなことした!?してないよね?」



またバケツを持って廊下に戻り、雑巾を搾って「ァァァァァァア」と叫びながら廊下を拭いていった。





そしてようやく床掃除が終わったのが17時56分…………………ギリギリだ









「はいご苦労様。それではまた違う仕事を教えますので着いてきて下さいまし」

「なんか礼軽いな。なかなかキツかったんですけど」





ブツブツ文句を小さな声で吐きながら、渋々といった感じでトメの後ろを着いていく……………









「ここは見ての通り厨房です」

「………はぁ」




よくわからないので、なんとなく相づちしてみる。





「あともうほんの数分後、注文の嵐になりますので注文が入れば直ぐさまお食事を言われたお部屋に届けて下さいまし」


「…………難しそうですね」

「慣れれば平気になりましょう。入る時はまず座り襖を両手で持ち、そっと優しく開けてからお食事を持って参りましたと一言。お客様の前にお食事をお出しする際は、服の裾が邪魔にならないよう食器を持っていない方の片手で裾をたくしあげお出しするように」

「長い長い長い!そんな知識一変に言われたって覚えらんないですって!」

「人間死ぬ気でやればなんだって出来ます」

「スパルタァ!?」






不安が膨れ上がるちよこ。ながったらしい説明についていけない。だって馬鹿だから☆







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