《MUMEI》 + 「お客様、私なんかで楽しむよりも芸者さんを呼んでおりますので、その子達と遊んでみてはいかがですか…?」 自分の手を触っている男の手をそっと離す。 そして笑顔を見せる すると中年は 「そうか、よし連れてこい」 あっさり手を引いた。 「わかりました。それでは連れてきますので、失礼します。いきますよちよこさん」 「あ、はい!」 駆け足で恋芽の元にいく。ちよこはビックリしたあんな状況においても嫌な顔をせず冷静に対応していて……… これが今日初めて仕事をするちよこと長いこと仕事してきた恋芽の経験の差なのだろう。 パタンと優しく襖を閉めた 「………………………ふぅぅ〜」 額の汗を拭いながら息を吐く恋芽、慣れたものだ。 「行くよちよこちゃん、ちょっと長居しちゃった。まだまだ忙しくなるから覚悟してね」 「す、凄いっすよ恋芽さん!あんなコッテリ背油をアッサリかわすなんて」 「慣れね慣れ。あたしだって最初は怖かったんだから!」 スタスタ出来るだけ足音をたてないで廊下を歩く二人。並んでみると恋芽の方が少し背が高かった 「それじゃ、仕方はわかったでしょ?」 「あ、なんとなく…?」 「だったら大丈夫ね、あたしはこれから芸者さん達お連れしなきゃならないから玄関に向かうね?」 「あぁぁ…………はい」 またあんな客相手にしなくちゃいけないのかと思うと、一気に不安が募るちよこ。 「大丈夫よ!女は度胸でしょッ」 ポンポンと優しく頭を撫でてくれる。ちよこまるで姉と会話してるような気分だった そして勇気もわいた。 「が、頑張る!」 「よし!………………あ、それと気になってたんだけど…」 「?」 「ちよこちゃんと美咲ちゃんて付き合ってるの?」 …………………………。 「はぁぁぁぁぁぁぁ!!?」 「えらく長いこと時間かかったね」 「あ、あたしとア、アアアイツが付き合うなんてあり得ないっすよ!……つか気持ち悪ッ」 「え?そうかな、お似合いよ??」 首をかしげながら言う恋芽さん、可愛すぎだよ。 + 前へ |次へ |
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