《MUMEI》 + 「わかったから、からかうようなこと言って悪かった……無神経に傷つけてごめん…………」 「……………………」 「あ、あたしまだ仕事あるしさ!もう行くわ!そんじゃ」 顔が見えないよう俯いて早口で言ってからその場を走って逃げた。 泣きそうな顔見られないように キツい言葉に泣きそうになったんじゃない アイツを辛そうな顔にさせたことに泣きそうになった……… 「あーぁ、寝みーなコンチクショウ」 ちよこが走っていった後、美咲は座り込み「ダセ――」と小さく空笑いしながら呟く… 「なにムキになってんだよ…ダセ――………………」 ザワザワ、黙っていると聞こえてくる客の声が嫌に廊下に広がる。 「…………………………恋芽……………」 ぽつりと君の名前を呼ぶ 閉じ込めていた気持ち 一回でも許してしまったら止まらなくなる………… 溢れて、溢れて、溢れて 「……………好きだ…………」 その言葉を出して 涙が流れた。 ギュッと自分を守るように体を縮こませる いつもいつも、俺が本当にほしいと思ったものは 全体手に入らない。 「だからアンタは嫌いなんだ…………………菜月」 + 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |