《MUMEI》

「ククク・・・。」


通話終了ボタンを押した途端、
手を抑えて笑う将貴。


思いの外上手く進んだことに内心驚きながらも、
相手の無駄な順応さが愉快過ぎた。


あいつをただの平にしておくのはもったいないな。


近い内に昇格させてやるか。


そんなことを考えながら前を向くと、
木城優美と目があった。


「・・・何?」


「い、いえ何でも無いです。」


木城優美は慌てて前を向く。


その反応を見て、
将貴が何もしない訳がない。

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