《MUMEI》

「わからない問題があったんなら言えばいいじゃん。」


「えっ・・・。」


びっくりして再び振り向く木城優美。


「い、いや、そんなんじゃないので大丈夫です。」


両手を前に出し、
うろたえている。


「じゃあどんな用でこっちを向いたんだ?」


「それはー・・・。」


視線を泳がせて言葉を濁らせる。


あと一押し。


「人の顔見といてそっぽ向かれるなんて、
侵害なんだけど。」


「わ、ご、ごめんなさい。


に、似てると思って。」


ドクン。


嫌な胸騒ぎがした。


「誰に?」


「昨日、私を助けてくれた人です。」

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