《MUMEI》

「それより大丈夫か?さっき戻ってからしばらくぼーっとしていたみたいだけど?」

「あぁ、大丈夫です。使ってた魔法解除するの手間取っただけなんで。どうも一度に2つ以上の魔法を使うこと出来なくて…追加は出来るんですけどね?ひとつずつ発生させて、ひとつずつ解除してました。」

上着を着た後、腰周りに残っていた制服の残骸をはがして丸めながら雅俊は説明する。

「まぁ、その辺は経験だな…そのうち慣れればいくらでも出来るようになるだろう。解除の必要無い方法もあるから、後で教えるよ。」

時計を見ると、昼休みはまだ10分ある。

「…まさか、サプリのソウランから一瞬で出てこれると思わなかったな。取りあえず、保健室に行っておこう。午後の授業が始まってしまう。」

「はい。…そういえば、先生の能力って結局なんなんですか?なんか植物がなんとかって言ってましたけど。さっき種落ちてましたし。あれ何に使うつもりだったんですか?」

生物準備室から出ようとして、山男はまだ左腕の袖を捲ったままな事にきづいて、ひとまず袖を直す。

「俺は『植』の魔法が使える。通常『植』使いは、種をたくさん常備しておいて、使う時に成長させる。ってのが基本らしいんだが、俺は錬(トレイン)も持っていたから、種の生成も含めての『植』使い。」

「そういえば、種から生成できるのはフェルでもなかなかいない。ってジェイオルも言ってましたね。」

「まぁな。いつもなら、種から成長まで一瞬で出来るんだが、まさか種作った所でパワー切れするとは思わず…怪我させてしまったな。」

「え?」

「思いっきり吹っ飛ばされたからな、少しでも衝撃抑えようと思って、落下地点にクッション代わりになりそうなのを出すつもりだったんだよ。」


会話をしているうちに、保健室に到着する。

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