《MUMEI》
病院と縁
.

ヤケにダルい…






瞼を上げると一気に意識がはっきりして来て、


視覚は最初、白い天井を







嗅覚は清潔なシーツの香りを







聴覚は…






「…佑二…!」


「?!」



声を。




それぞれ、認識した









ゆっくりと顔を向けた

そこには、確かに。



「しゅ……いち…!おま…」


「ごめん…!!」





秀一は俺の左手を両手で包んで額に押し当て、俯いた




「………」


「隆之から、聞いた…ごめん、佑二…」





「…謝る意味が…分か……い゙ッ!」

「ダメだ!寝てろ!!」


起き上がろうと腹筋に力を入れた瞬間、激痛にその力は奪われて

俺は再び枕に頭を落とした



痛んだ場所にそっと右手で触れてみる




「…これ……?」

腹の包帯に触れた右手の甲にも違和感を感じて、シーツから出して見る





そこからは管が上にのびていて




俺は今、病院にいて




腹を怪我してて、





点滴打たれてる







…入院してるんだ、って





秀一が見舞いに来てくれてるんだ…って、




理解した……けど








「…なんで俺…怪我してるんだ…?」






秀一の声が聞こえて………それから………






「……」


秀一は怒りを押し殺したような、困惑した微笑みを見せて、




話し出した

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