《MUMEI》 『誰に喧嘩売ってんのかわかってんのか?』 しかも相手は複数とみた。 さてどうする? 将貴は授業そっちのけで、 左耳から流れてくる音に聴き入っていた。 『さあ? わかんねぇなあ。 お前らこそ誰に喧嘩売ってんのかわかってる?』 部下の威勢の良い声が、 相手を威嚇する。 『は、お前みたいなチンピラわからなくて当然だろ。』 『そうか・・・。』 かろうじて聞こえたため息の後、 布が擦れる音がした。 『そこどけ。』 『ぐはっ!』 同時に相手のうめき声と鈍い音がする。 部下が相手に接近し、 殴ったみたいだ。 尋常じゃないうめき声からして、 結構本気で殴ったのだろう。 前へ |次へ |
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