《MUMEI》

将貴は一刻も早くその場に駆け付けたい衝動に駆られた。


あと数分で授業は終わるのだが、
その数分でさえも、もどかしく感じる。


『お前・・・やりやがったな!』


突然部下の焦った声が聞こえた。


何やら相手と言い争い、
先程よりも険悪なムードになって行く。


将貴は一層左耳に集中した。


『そのバイク誰のかわかってんのか!』


感極まった声。


直感的にこれはまずいと思った。


もちろん相手がバイクの持ち主など知る余地もない。


たのむから早く授業終わってくれ!


だがそんな願いも虚しく・・・。


『頭のバイクだぞ!』


・・・あんのバカが!

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