《MUMEI》

確かに…ジェイミーは美人だからお人形さんに見えなくもないけど…子供の発想って、突飛で自由で楽しいな。

「…あ…あぁそうだよ///僕お人形さん♪」

ジェイミーはくるみちゃんに笑顔でそう言うとモデルさんのようなポーズをとった。

ジェイミーがもしお人形さんだったら…リカちゃんやジェニーちゃんのようなお人形なんだろうなぁ。

それにくるみちゃんはお人形さん好きだから、日中ずっと遊ばれて、夜になるとベッドに持ってかれて一緒に寝てたりするんだろう。

と、くるみちゃんと小さなジェイミーを想像して、少し笑ってしまった。

「うきゃ〜おりぇもお人形しゃんやるのぉ〜♪」

くるみちゃんもジェイミーに負けじと可愛らしいポーズを僕らに見せてくれた。

「ほら、じゃあこういうポーズして♪」
「え〜こぉ?」

何故か二人で競って『キャッキャ!』とはしゃぎながら、僕に向かってポーズをとりあっていた。




「お前ら、何をしたらそんなになるんだ…」
「ぇ…あっ、克哉さん///」
「きゃっ、にーたんだぁ!!」

急に聞き慣れた声がしたんで後ろを振り返ると、普段着に着替えた克哉さんが風呂場の外からドアを開けてこっちを眺めていた。

「そんなにって…ぁ///」

克哉さんに言われ辺りを見回すと、バスタブの中だけじゃなくて周りじゅうが泡だらけになっていて、タイルの床もビショビショになってしまっていた。

= = = = = = = = = = = = = = = = = = = =

「第一夫人知ってる?アンタの爺の一号さんだよ」

祖父には妻が3人居る、マックスの母親は妻ではなく愛人なのだけどその3人の年齢は大分離れているので一番目の奥さんを見た事は無かった。

「あぁ…とっくの昔に亡くなったと聞いてたが…何だその言い方は」
「いいのよ、私の母親なんだから」
「尚更だろう…」

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