《MUMEI》 強いられる今か今かと会場全体が試合開始を臨む中で、 コートでは選手たち各々の調整が行われていた。 ある者はシュート練習を行い、 ある者はテーピングを巻き替え、 ある者は体を休めていた。 バスッ!! 「ナイッシューッ!!」 「っし!!」 (ボールはキレてる。 まだまだ行けんぞ俺は。) 順番に並びながらシュート練習を行う未來。 「それ試合でも出せよ。」 ヒュッ… パシッ。 「うっせっつの。 おめ〜こそ好き勝手やられてんじゃね〜よ。」 自分の打ったボールをキーパーから受け取り、 未來はまた列に並ぼうと歩く。 (ん…) その途中、 未來の目に飛び込んで来たのは対戦相手、 聖龍高校のアップの姿。 聖龍高校の選手たちの多くも、 海南高校の選手たち同様シュート練習に余念がなかった。 しかし、 その練習に参加せず、 列から外れたコート端で話す2人の姿。 (余裕だな…) 二ノ宮と桜井だ。 前へ |次へ |
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