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《MUMEI》 ｢っ…そｯ!!｣ 悔しさを隠しきれない古賀。 この桜井の突破はスピード以上に技術が中心となるフェイクが入った。 単純な身体能力のスキルではなく、 テクニック、 というスキルで負けたこと。 フィールダーとしてはその方が屈辱的な物である。 ｢切り替えろ｡次返せばいい｡｣ ｢…うす｡｣ ボールは海南。 コート中央へと足を運ぶ。 (取り返す… 俺の手で… あいつに勝たなきゃ､ 今ここに立ってる意味がない｡) ｢ピｯ!!｣ 審判の笛が鳴る。 ｢1本行きましょうｯ!!｣ 海南選手陣がラインを跨ぐ。 (ホントに決めてくれたよこいつは… おかげで予定通りに事を運べる｡ 最初は見て行くぞ｡ 向こうの出方を知れれば1点は安い｡) キュキュｯ!! 仕掛ける古賀。 (甘いなぁ｡) が、 聖龍ディフェンスも間は抜かせない。 最悪1点与えても良い。 という二ノ宮の作戦の意図はあくまでも向こうの攻め方を伺う為。 こちらのミスから安易に1点を譲るという意味ではない。 それをわかっている聖龍の選手たちも、 つまらない突破は許しはしない。 ヒュｯ…!! 海南は前半同様、 攻め手のなさに悩む展開を踏み始めていた。 前へ |次へ |
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