《MUMEI》 . 少年の意味不明な言葉に、男は激昂する。 「ワケわかんねーことブツブツ言ってねーで、とっとと失せろッ!!」 強い口調で威嚇しながら、男はわたしの肩をガシッと力強く掴む。男の指が食い込むほどに。 少年は無造作に頭を掻き、そうだなぁ…とぼんやり呟くと、ニッコリ笑った。 「とりあえず、その子離してくれない?」 全く危機感を感じさせない呑気な口調で言うと、男はさらに怒りを募らせたようだった。 「テメェに関係ねぇだろうが!邪魔すんな!!」 大音量で喚く男を半眼で見つめ、少年は、いちいちうるせーなぁと面倒臭そうにぼやく。 「関係あるから来たんだよ。バカじゃねーの?」 ―――その台詞に、 ついに男の堪忍袋の尾が切れてしまったらしい。 「ふざけんな、クソガキッ!!」 男はわたしの身体を突飛ばし、ナイフを構え直すと、怒りに任せて少年に向かって駆け出した。 . 前へ |次へ |
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