《MUMEI》

「これが好きなの?」

光に米岡の作品集を見せられたが前衛的な頭にチューブがぶら下がっていたり、俺が光に見せた頁は妊婦にボディペイントされてる。
展示びっしりと髪の毛が、ぶら下がっていた画像を光に見せた。


「颯太さんは舞台に立つと別人なの。俺もよく花があるって言われるけど颯太さんは花っていうか匂いとか空気とか……そういう視覚以外のとこから訴えてくるの。」

動く映像じゃないとわからないってことか。
確かに話してたらただの冴えない青年だ。


「俺とその颯太さんどっちがカッコイイ?」


「性欲と睡眠欲は違うだろ?」

光の言い方だと俺が性欲なのか。


「面白くないな。絶対、光は俺が好きだと思っていたんだけど、俺って勘違いも甚だしいな。」


「拗ねたあ……かっこかわいい。」

光に撫でられたので、撫で返してやった(尻)。


「……ア、すぐ、そうゆうの……」

胸を叩かれる。


「萌える?」


「……かなり。」

光は諦めたようだ。

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